🎮 水没して起動しないSwitch Liteからデータを取り出せる?
水没後にSwitch Liteが起動しなくなっても、CPUとNANDフラッシュが正常であれば、データを取り出せる可能性があります。
今回の端末は基板自体の損傷範囲が広く、通常の基板修理だけで本体を使用可能な状態へ戻すよりも、正常なドナー基板へ重要部品を移植する方法が現実的と判断しました。
✅ 今回の修理ポイント
- 水没によってSwitch Liteが起動不可
- 基板全体に強い腐食を確認
- 洗浄後も起動せず、液晶・サブ基板にも故障あり
- CPUとNANDフラッシュを正常基板へ移植
- データそのままで起動に成功
- 作業期間は約1日
Switch Liteが水没すると基板はどうなる?
Switch Lite内部へ水分が入り込むと、基板上の細かな電子部品や端子部分に腐食が発生することがあります。
水没直後は動いていても、その後腐食が進行して電源が入らなくなるケースもあります。
今回のSwitch Liteは内部の腐食がかなり広範囲に及んでおり、基板洗浄を行っても起動しませんでした。
さらに液晶やサブ基板にも故障が確認されており、基板以外にも複数の部品交換が必要な状態でした。
⚠ 水没故障は一か所だけとは限りません
水分は基板だけでなく、液晶・充電口・スティック・各種サブ基板など複数箇所へ入り込むことがあります。そのため、起動不良の原因を一か所修理しても別の故障が残っている場合があります。
本体を直せなくてもSwitch Liteのデータだけ救出できることがある
今回のお客様が最も希望されていたのは、Switch Lite本体を今後も使い続けることではなく、本体に残っているデータを取り出すことでした。
基板の損傷箇所が多く、さらに液晶やサブ基板まで交換すると修理費用も大きくなります。
そこで、正常に動く別のSwitch Liteを使用し、お客様のデータに関係する重要部品を移植する方法を選択しました。
データが入っているNANDだけを交換すればいいわけではない
Switch Liteでは、データを保存しているNANDフラッシュだけを正常な基板へ移植すれば、そのまま起動できるわけではありません。
CPUとNANDフラッシュは本体内部で関連付けられているため、今回のような移植ではCPUとNANDフラッシュをセットで移す必要があります。
Switch Lite基板上の移植対象です。赤丸がCPU、黄色丸がNANDフラッシュです。

💡 CPU移植によるデータ救出の前提
- お客様のCPUが正常であること
- NANDフラッシュが正常であること
- 取り外し時にチップを破損させないこと
- 正常なドナー基板へ正確に再実装できること
正常なSwitch Lite基板を「ドナー」として使用
まずは店舗で正常に起動しているSwitch Liteを用意し、移植先となる基板からCPUとNANDフラッシュを取り外します。
この正常な基板を、移植用の「ドナー基板」として使用します。
店舗の正常なSwitch LiteからCPUとNANDフラッシュを取り外した状態です。ここへお客様のチップを移植します。

CPU・NAND移植が難しい理由は「リボール」が必要だから
次に、水没したお客様のSwitch Lite基板からCPUとNANDフラッシュを取り外します。
CPUやNANDはコネクターで簡単に交換できる部品ではなく、基板へ多数のはんだボールによって実装されています。
そのため、チップを取り外した後はリボールと呼ばれる作業が必要です。
リボールとは?
リボールとは、一度取り外したCPUやNANDの裏側にある古いはんだを処理し、新しいはんだボールを形成し直す作業です。
その後、位置を正確に合わせながらドナー基板へ再実装します。
チップの取り外し・リボール・再実装のいずれも精密な作業となるため、通常のパーツ交換と比べて難易度の高い基板修理です。
水没したお客様の基板からCPUを取り外した状態です。基板上に裏返したCPUを置いています。

取り外したCPUとNANDフラッシュをリボールし、ドナー基板へ実装できる状態に整えました。

CPUとNANDを移植すれば必ずデータを救出できる?
CPU移植は、すべての水没端末で利用できる方法ではありません。
最大の条件は、元のCPUとNANDフラッシュ自体が故障していないことです。
水没によってどちらかのチップまで破損している場合、この方法でのデータ救出はできません。
⚠ CPU移植はデータ救出を保証するものではありません
CPU・NANDフラッシュの状態や水没ダメージによっては移植後も起動できない場合があります。端末の状態を確認したうえで作業可否を判断します。
今回は両方のチップをリボールしたうえで正常なドナー基板へ実装しました。
お客様のCPUとNANDフラッシュをドナー基板へ実装した状態です。

CPU移植後、データそのままでSwitch Liteが起動
CPUとNANDフラッシュをドナー基板へ移植して組み上げたところ、Switch Liteは無事に正常起動しました。
ホーム画面まで進み、お客様のデータもそのまま残っていることを確認。
今回の目的だったデータ救出に成功しました。
CPU・NAND移植後のSwitch Liteです。正常に起動し、お客様のデータが残っていることも確認できました。

その後、お客様に新しいSwitch本体をご用意いただき、店頭で起動したSwitch Liteから新しい本体へ必要なデータを移行していただきました。
今回のように元の端末全体を完全に修理するのではなく、一時的に起動できる環境を作ってデータを取り出すという修理方法もあります。
水没して電源が入らないSwitch Liteで一番重要なのは「何を残したいか」
水没修理では、本体を今後も使い続けたいのか、それともデータだけ取り出せればよいのかによって修理方法が変わることがあります。
今回のように基板・液晶・サブ基板など複数箇所が故障している場合、本体を完全復旧させるためにすべて交換・修理すると費用が大きくなります。
一方、目的がデータ救出であれば、端末の状態によってはCPU・NAND移植という方法を選べる場合があります。
💡 修理相談時に伝えていただきたいこと
- 本体を今後も使用したい
- セーブデータを優先して取り出したい
- 水没後に一度でも起動したか
- 充電や電源操作を行ったか
- 水没した時期や水の種類
Switch Liteの水没・基板修理料金については、
ゲーム機修理料金一覧
をご確認ください。
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水没して電源が入らず、「買い替えはできるけれど中のデータだけは取り戻したい」という場合も、端末の状態によって対応できる可能性があります。
Switch Liteの水没・データ救出でよくある質問
Q. 電源が入らないSwitch Liteからデータを取り出せますか?
A. 故障状態によります。基板修理で起動できるケースのほか、CPUとNANDフラッシュが正常であれば、移植によってデータ救出できる可能性があります。
Q. NANDフラッシュだけを正常なSwitchへ移せばデータは読めますか?
A. NANDフラッシュだけを別基板へ移して使用することはできません。データ救出を目的とした移植では、CPUとNANDをセットで扱う必要があります。
Q. CPU移植は即日できますか?
A. 今回は約1日で作業しました。端末状態や基板の腐食状況、作業内容によって必要な時間は変わります。
🔗 Switch Liteの修理料金・修理実績
Switch Liteの水没や起動不良をはじめ、液晶・スティック・充電口・基板などさまざまな故障に対応しています。