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基板修理

スマホスピタル埼玉大宮

iPhone13 Proが水没して画面が映らない…2層基板内部の腐食が原因だった修理事例

大宮駅周辺でiPhone 13 Proの水没修理をご検討中なら、スマホスピタル埼玉大宮店へご相談ください。

今回は「プールに約10分落としてしまい、その後まったく画面が映らなくなった」というiPhone 13 Proの修理をご依頼いただきました。

結論からお伝えすると、原因は液晶パネルではなく2層基板内部まで浸水したことによる腐食でした。

基板を分離して内部を修復したことで画面表示は復旧し、その後発生した3分再起動も解析ログ(Panic Log)から原因を特定。最終的にはデータそのまま、お預かりから約1日でお返しすることができました。

今回は実際の診断の流れをご紹介しながら、「水没したiPhoneで画面が映らなくなる原因」についても詳しく解説します。

iPhone 13 Proが水没して画面が映らない原因とは?

水没後に画面が映らなくなった場合、多くの方は「画面が壊れた」と考えます。

もちろんディスプレイが故障しているケースもありますが、水没の場合は基板側の異常によって画面へ映像信号が送れなくなっていることも少なくありません。

特にiPhone 13 Proは上下2枚の基板を重ねた2層基板構造を採用しています。

そのため、表面上はきれいに見えても基板内部へ水分が侵入し、見えない場所で腐食が進行しているケースがあります。

今回の端末も分解してみると、内部にはまだ多くの水分が残っていました。

まずは基板を取り外し、腐食している部分を無水エタノールで洗浄し、水分を十分に飛ばします。

その後、バッテリーとディスプレイを仮付けして起動確認を行いましたが、画面はまったく表示されませんでした。

水没した直後にやってはいけないこと

水没後、「充電すれば直るかもしれない」と考えてしまう方もいらっしゃいますが、これはおすすめできません。

  • 充電器を接続する
  • 何度も電源を入れ直す
  • ドライヤーで高温乾燥させる

こうした行為は、基板上に残った水分によってショートや腐食を進行させてしまう可能性があります。

データを残したまま復旧できる可能性を高めるためにも、水没後はできるだけ早く専門店へご相談いただくことをおすすめします。

CPUは起動しているのに画面だけが映らない状態でした

次に基板単体を直流電源へ接続し、電源投入時の消費電流を確認しました。

測定すると、電流は約1.6Aまで上昇しています。

この数値から、CPU自体は正常に起動処理を進めていると判断できました。

つまり、今回のiPhoneは「電源が入らない」のではなく、起動はしているものの画面だけが表示されない状態だったのです。

この時点で画面故障の可能性は低くなり、ディスプレイへ映像を送る回路に異常があると考え、診断を進めました。

回路図と抵抗値測定で異常を特定

ディスプレイコネクターの各ピンを顕微鏡下で1本ずつ測定すると、本来はオープン(OL)になるはずのラインが約300Ωを示していました。

これは、本来つながっていない回路同士が、水没による腐食の影響でリーク(絶縁低下)を起こしている可能性を示しています。

そこで回路図を確認し、このラインがどこへ接続されているのかを追っていきました。

iPhone13 Pro ディスプレイ回路のコンデンサ位置を示した回路図

回路図を確認すると、原因となっているラインはシールド内部のコンデンサへ接続されていることが判明しました。

シールドを慎重に取り外して確認すると、コンデンサ周辺には目視でも分かるほど強い腐食が発生していました。

腐食を丁寧に除去し、再度抵抗値を測定すると正常値へ戻っています。

しかし、この段階でディスプレイを接続しても画面は映りませんでした。

つまり、この腐食は一つの原因ではありましたが、まだ別の故障が隠れていることになります。

サーモグラフィーから2層基板内部を疑う

次にサーモグラフィーで基板全体を観察したところ、一部分だけがごくわずかに発熱していました。

ショートしているような強い発熱ではありませんが、水没端末ではこのような微妙な温度変化が故障箇所を見つける重要なヒントになります。

表面には異常が見当たらないことから、「2層基板の内部で腐食が進行しているのではないか」と判断し、基板を分離して内部を確認することにしました。

iPhone13 Proの上下2層基板を分離した状態

2層基板内部にはディスプレイIC周辺の激しい腐食がありました

基板を慎重に分離すると、予想どおり外側からは見えなかった腐食が現れました。

特にディスプレイIC周辺は水分の影響を大きく受けており、広範囲に腐食が進行しています。

iPhone13 Pro 上基板ディスプレイIC周辺の腐食

さらに、ディスプレイICの真裏に位置する下基板側にも腐食が確認できました。

iPhone13 Pro 下基板ディスプレイIC裏側の腐食

ここまで腐食が進行していると、外側だけの洗浄では改善できません。

腐食を丁寧に除去して洗浄した後、まずは上基板のみでディスプレイを接続し、映像が出力されるかを確認しました。

上基板のみで画面表示を確認したiPhone13 Pro

するとAppleロゴが表示され、正常に画面が映ることを確認できました。

この時点で、画面が映らなかった原因は2層基板内部の腐食であることが確定しました。

次は基板を再接合して組み立てを行いますが、ここで新たな症状が見つかります。

基板を再接合すると、今度は3分ごとに再起動する症状が発生

画面表示が正常に戻ったことを確認した後は、上下の基板を再び一体化するためのリボール作業を行います。

iPhone 13 Proの2層基板は、上下の基板が非常に細かなはんだボールで接続されています。一度分離した基板は、そのままでは再利用できないため、新しいはんだボールを形成し、位置を正確に合わせて再接合する必要があります。

リボール後に基板を組み戻し、端末を組み立てて起動確認を行うと、画面表示やタッチ操作は問題なく復旧していました。

しかし、動作確認を続けていると約3分ごとに自動で再起動する症状を確認しました。

水没端末では、複数の故障が同時に発生していることも珍しくありません。1つ目の故障を修復したことで、次の異常が見えるようになるケースも多くあります。

3分再起動はPanic Logの解析で原因を特定

iPhoneでは、異常終了や再起動が発生すると「Panic Log(パニックログ)」と呼ばれる解析ログが保存されます。

このログを確認することで、CPUやメモリだけでなく、充電口や各種センサーなど、どのデバイスとの通信に問題が発生しているのかを推測できます。

iPhone13 ProのPanic Log解析画面

今回の端末では、センサー関連のエラーが記録されていました。

水没歴があることを踏まえ、もっとも影響を受けやすいドックコネクターを点検したところ、腐食の影響によって正常な通信ができていない可能性が高いと判断しました。

ドックコネクターを新品へ交換し、再度動作確認を実施します。

再起動が改善したことを長時間確認

交換後はストップウォッチを使用しながら、3分を超えても再起動しないことを確認しました。

3分以上再起動せず正常動作を確認しているiPhone13 Pro

その後も充電・タッチ操作・通信・カメラ・Face IDを含めて各種動作を確認し、日常使用に問題のない状態まで復旧しています。

今回の修理はデータそのまま、約1日でお返しできました

最終確認後、お客様へ端末をお返ししました。

基板修理完了後に正常起動したiPhone13 Pro

今回のように2層基板内部まで腐食が進行したケースでも、比較的早い段階でお持ち込みいただけたことで、基板パターンやICへのダメージを最小限に抑えることができました。

その結果、データを消すことなく復旧することができています。

また、今回は重度の基板修理でしたが、お預かりから約1日で修理が完了しました。

もちろん症状や部品の損傷状況によって修理期間は異なりますが、基板修理でも症状によっては即日〜1日程度でお返しできるケースもあります。

水没したiPhoneは乾いたように見えても安心できません

水没後、「電源が入ったから大丈夫」「数日経って問題ないからそのまま使える」と思われる方も少なくありません。

しかし実際には、水分が基板内部に残ったまま腐食が徐々に進行し、数日後や数週間後に突然起動しなくなるケースもあります。

特にiPhone 13 Proのような2層基板モデルでは、今回のように基板内部だけが腐食していることもあり、表面からは異常が分からない場合があります。

水没後は自己判断で使い続けるのではなく、できるだけ早い点検をおすすめします。

修理内容や料金についてはiPhone修理料金はこちらからご確認いただけます。

こんな症状は基板修理で改善する可能性があります

  • 水没して画面が映らない
  • 起動音やバイブはあるのに画面だけ真っ暗
  • Appleロゴから先へ進まない
  • 約3分ごとに再起動してしまう
  • 画面交換やバッテリー交換でも改善しなかった
  • 他店で修理できなかったと言われた

これらの症状は、部品交換だけでは改善せず、基板修理が必要になっている可能性があります。

今回の修理ポイントまとめ

  • プールで約10分水没したiPhone 13 Pro
  • CPUは起動していたが画面だけが表示されない状態
  • 回路図と抵抗値測定でディスプレイ回路の異常を発見
  • 2層基板を分離するとディスプレイIC周辺が激しく腐食
  • 基板内部を洗浄し、画面表示が復旧
  • Panic Log解析で3分再起動の原因を特定
  • ドックコネクター交換で再起動も改善
  • データそのまま・約1日で修理完了

よくある質問

Q. 水没したiPhoneでもデータは残せますか?

基板の損傷状況によりますが、今回のように基板修理によってデータそのままで復旧できるケースもあります。電源が入らない状態でも、まずはご相談ください。

Q. 基板修理はどれくらい時間がかかりますか?

症状によって異なりますが、軽度な基板修理であれば即日対応できる場合もあります。今回の修理は約1日でお返しすることができました。

Q. 他店で修理できなかった端末でも依頼できますか?

もちろん可能です。当店では部品交換だけで改善しない基板故障の修理実績も多数ございますので、お気軽にご相談ください。


スマホスピタル埼玉大宮店では、回路図・顕微鏡・直流電源・サーモグラフィー・Panic Log解析などを組み合わせ、故障原因を一つずつ切り分けながら修理を行っています。

「他店では修理できなかった」「データだけでも取り出したい」という場合も、お気軽にご相談ください。

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スマホスピタル 埼玉大宮店
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〒330-0854 埼玉県さいたま市大宮区桜木町1丁目1−5 山中ビル 4F
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