ゲーム機修理
自己分解をしたnintendo switchが持ち込まれた話 | スマホスピタル
今日は電話で問合せがあった。
子供がスイッチを誤って初期化してしまったらしい。
初期化したデータを戻せるかの問合せなのか??と内心思いながら話を聞くと全然違った。
その内容とは、初期化したはいいがジョイコン取り付け口の片方が壊れていて初期設定ウィザードの段階で
ジョイコンをセットさせ認識させるという項目がある為に、初期化を済ませられないといった事だった。
だから、その部分を何とか出来ないですかという内容の問合せだった。
後から聞いた話だがお客様の最寄の店舗ではその症状は修理で対応が出来ないとお断りされたそうだ。
2店舗目として当店に電話をしてくれたらしかった。
私はとりあえず持ってきてと伝えた。
ジョイコンの方が壊れていてセットできないだけじゃないかなと思っていたからだ。
お客様は当日中にご来店してくださった。
そこでswitch本体を見てみるとどうにもネジが3本足りていないし、背面カバーとネジの取り付け順が逆になっている部分があった。
そしてサイドにある5本のネジの一番上はネジ穴がなめていた。
どうやら小学生の子供がなんとか直せないものかと自分で分解をしたらしい。
それでネジ穴や欠損などがあったらしい。
思ってたのとちがうと考えながら、とりあえず基板が見えるところまで分解をしてみた。
布団にこもってプレイをする事も多いようで、排熱ファンはほこりに包まれてしまっていた。
ついでに清掃をしてジョイコン取り付け口のあたりに目をやると原因が明らかだった。
フレキが有り得ない形で折りたたまれていた。というか挟み込んでいた。
普通は折りたたまれたりはせずにまっすぐ通過しているケーブルだ。
ジャストサイズで設計されたケーブルだから多少の遊びはあれど折りたたまれているとなるともう長さは足りない。
ラッチが下がったままケーブルは抜けてしまっていた。
そして不思議な事に基板の下に挟まれていた。
普通は少し引っ張れば多少動くのだけれどがっちりと挟まれていた。
いったいどこまで分解したのだろうと思いながら、ジョイコン取り付け口や基板を少し浮かせてケーブルの位置や
折れてしまったクセを修正して正しい配置に戻す。
結果的にはジョイコンがカチッと認識されなかったのはケーブルが抜けていたから。
ケーブルが抜けていたのは無理な力で引っ張ったからだ。
話を聞くとどうにもつじつまが合わない。
でも中を覗けば予測もつく。
基板側に関しては今回の件で分解した訳ではなく、以前に何かしらの理由で分解をしたという事だ。
その時にすでにケーブルは抜けてしまっていた。
その後初期化をしてしまったから今回困る事になった。
まぁ
そのへんは別に何でもいいんだけど。
小学生が精密機器を分解するというのはマジで無理がある。
今って動画で修理がどうとか紹介されてるから見様見真似で出来てしまうのだろう。
私は動画とやらは見た事がないから予想もつかないが、なんの知識もない素人にそういった情報を与えるのはいかがなものだろうか。
簡単にやっているように見えても、ラッチひとつ飛ばしてしまえば取り付ける事も出来ないだろう。
そういう所を一言で「自己責任」という言葉ひとつで片付けてしまうのはどうなのか。
ねじ回しを基板上に落としてしまい運悪くコンデンサーが飛んだり欠けたらどうするのか。
そういったコンテンツを力加減の難しい子供が自由に簡単に見れて、実行できてしまうのはよろしくない。
そういう結果が今回みたいな事になる。
あのスイッチはニンテンドーに送っても修理してくれなかっただろう。
完全に保証外なのだから。
どこでも修理が出来なかったとしたら、新しいのを買って3万円近くをまた支払う事になっていたのだ。
そして元のスイッチは正常に稼働できていたにも関わらず眠る事になっていたかもしれない。
今回触ったスイッチは私は見ていて気分が悪くなった。
あまりにもかわいそうだったから。
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