ちょこっと海に落としただけでも水没しちゃう？iPhoneの防水仕様【水没復旧修理】

台風が発生しており、気温もだいぶ下がってきました。

秋になったなという感じがしています。

国内ではもう1か月前くらいから海に入るということはないでしょうが

海外ではまだまだ海水浴が気持ちいいリゾート地がたくさんありますね。

学生さんは夏休みということもあり、スマホスピタルでは

海での水没の相談が9月に入ってもまだまだあります。

iPhoneの防水性能はなかなかだが、相手が海水では話は別

今回の相談はiPhoneX。

iPhoneはiPhone7以降から防水性能を備えるようになりました。

iPhone7、iPhone7Plus、iPhone8、iPhone8Plus、iPhoneX、iPhoneXRは

IP67等級の防水性能が備わっています。

水深1mで30分間は耐えることができるというものなのですが

ちょっと水に落としたというくらいでは何の問題もないくらいの防水性能です。

水の中に落としたけど何ともなかったという話も割と耳にします。

スマホスピタル米子では防水性能のないiPhone5sで実験をしたことが

あるのですが、バケツの中の水にドボンと投げ込んでも、1分程度では

水没して電源がつかなくなるということはありませんでした。しかも

気泡すら出てこなかったのです。何度かバケツに投げ込んで、合計10分くらい

水につけてようやく動かなくなりました。

中身の隙間がほとんどない構造なので、ほぼ密閉状態で水が入り込みにくく

なっているのでしょう。恐るべしiPhone！！

といってもそれは水道水だからなのかもしれません。

IP67等級というのは真水での場合の防水性能。海水となると

条件が変わってきます。今回の依頼者、ちょこっと落としただけなのに

水没してしまうのかということを言われたのですが、

経年劣化で防水性能は落ちていきますし、海水となれば

より水没しやすくなってしまいます。iPhoneの防水性能は

完全防水ではなく、日常生活のなかで水没してしまうのを防ぐ

という感覚が正しいのでしょう。

それではiPhoneXを解体して乾燥、洗浄をします。

画面、基板、本体フレームに分けた状態ですが

画面とフレームの赤丸、水没反応マーカーを

囲んでいるのですが、これが本来は白色、水没すると

赤くなるのですが、赤色ですね。

このマーカーは、元の閉じた状態だと画面のマーカーが右端、

フレームのマーカーが左端にあるので、海水が全体的に侵入して

しまったということが分かります。

乾燥と洗浄をしましたが、どうやっても起動しませんでした。

聞けば、海外で水没させて2,3日経って帰国してスマホスピタルに

持ってきたということで、この水没後の時間経過も復旧しなかった

原因でしょう。

水没復旧は時間との勝負。やってしまったらできる限り早く

修理依頼をしてください。

iPhoneは完全防水ではありません。

日常生活で起こりえる水没の危機からは守ることができる

かもしれませんが、風呂やトイレ、海といった

わざわざ持ち込まないと落とすことがないような場所では

壊れてしまう危険大です。

もし水没させてしまったら、電源を切って大急ぎで

修理に出しましょう。