お風呂で水没！液晶にシミが…タッチ操作もできない！湯気・湿気・結露が原因？

スマホの水没時は様々な症状が起こりえます。

先日水没故障でご依頼を頂いたiPhone7は、画面のタッチ操作が出来ない状態でした。

水没とは

水没と聞くと、お風呂やプールに落としたというような『浸水』をイメージされる方が多いです。

しかし、実際には水分が原因で起こる故障全てを水没故障と言います。

つまり手汗や湿気など、少量の水分で故障した場合も水没故障です。

スマホの水没時に起こる症状とは

スマホが水没すると、“必ず起こる”というような決まった症状はありません。

反対に画面割れなどの外装破損以外、ほとんどの内部故障が起こりえます。

• 映像が映らない
• タッチ操作が出来ない
• 音がでない
• 充電が出来ない
• カメラが写らない
• マイクが反応しない
• リンゴループが起こる

…その他にも、様々な故障が発症する可能性があります。

水没時の応急処置

スマホの水没時は迅速な対処が必要です。

そのまま放置をすることで症状が悪化する可能性があるため、状況に合わせて以下の対処を行ってください。

水没後にスマホの操作ができる場合

水没後に操作ができる場合は、早急にデータのバックアップを行ってください。

現状では操作が出来ても、その後使用できなくなるケースが多いです。そうなる前に、データを確保することが大切です。

端末に付着した水分を拭き取って、SIMトレーを取り外した状態で行うと良いでしょう。

水没後にスマホの操作ができない場合

端末の水分を拭き取って、SIMトレーを取り外してください。

そのまま乾燥剤と一緒にジップロックに入れて、修理店に持ち込みましょう。

乾燥剤での対処だけでは復旧が難しく、その状態が長く続くと復旧率が下がります。

水没後はいかに早く修理店に持ち込めるかが、その後の復旧率を左右します。

正規店で水没端末の修理をしてもらえない理由

メーカーや携帯会社に水没故障を相談すると、修理ではなく端末の交換をしてもらえます。

それは、“水没故障は完全復旧できない”という理由にあります。

近年ではどのスマホも耐水性が備わっているものが多いです。

しかしあくまでも『水分が侵入しづらい』構造というもので、一度侵入してしまうと故障が起こります。

その際に症状が出ている個所を交換しても、基板やその他パーツにも水分が付着している可能性が高いです。

修理時に内部の水分をいくら乾燥させたとしても、一度水分が付着した部分のダメージを払拭するすることはできません。

症状が再発したりその他の故障が起こる可能性があります。

つまり一度水没したスマホは、修理をしても継続して使用できない場合がほとんどであるということです。

非正店ではデータの取り出しを目的にとした修理が可能

非正規の修理店では、“完全復旧は出来ない”という条件で修理を行います。

データ移行を目的とした作業のため、復旧後に端末を長期で使用いただくことはできません。

しかし大切なデータを復旧できる可能性があります。

データ移行が必要な場合は、非正規の修理店に相談してください。

水没故障の修理例：iPhone7の場合

つい先日ご相談を頂いたiPhone7は、風呂場で水没が起こったとのことでした。

状態を確認すると液晶にシミが表示されています。

またタッチ操作が出来ず、データのバックアップも出来ない状態でした。

しかしシャワーの水をけかる、浴槽に落とすなどは全く無かったそうです。

そこで考えられるのは、結露や湿気による水没です。

結露や湿気による水没故障とは

スマホに水がかからないように防水ケースに入れて使用されている方もいらっしゃいますよね。

しかし目に見えているものだけでは水没は防げません。

寒い季節、暖かい場所から急激に冷えた場所にスマホを移動させると気温の変化で結露を起こすことがあります。

これは内部から発生する水分のため、普通に使用していて気付くことはなかなかありません。

また湿気の強い場所で使用すると、空気中の水分が端末内に侵入してしまうこともあります。

こちらも目に見える水分ではないので、どのタイミングで水没したのかというのは分かりづらいものです。

どちらも修理時の分解で内部のサビや腐食が見つかり、そこで発覚することがほとんどです。

今回ご依頼を頂いたiPhone7の内部も、内部から大量の水分が摘出されました。

お風呂場で使用されていたそうなので、湯気や湿気が侵入したのかもしれません。

また脱衣所が冷えていたとのことだったので、寒暖差の激しい場所へ移動させたことで結露による故障も考えられます。

水没復旧修理の手順

水没復旧は、状態により作業内容が異なります。

起動しない場合は基板洗浄を行うところから始めますが、一部のパーツのみ故障しているような症状の場合は乾燥とパーツ交換から行います。

今回のiPhone7は起動しておりサイドボタンの操作もできたので、まずは乾燥から行いました。

内部を乾かし画面交換

内部の水分が乾燥したら画面を取り付けます。

この際に動作が不安定な場合は、そのままバックアップや別の端末にデータ移行を行います。

今回は画面交換後操作の確認が取れたので、この状態で返却しました。

水没復旧後は早急にバックアップを

水没復旧作業にて操作が出来るようになった端末も、すぐに再発したりその他の故障が起こるリスクがあります。

最短でその日のうちに再度故障が起こることもあるため、早急なバックアップが必要です。

バックアップが取れたら、新しい端末に買い替えてください。