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iPhoneがアップデートで不具合が起きた場合の対処法や実際の事例を紹介 | スマホスピタル
iOSの最新バージョンは、不具合の解消や新機能の追加などの目的で定期的にリリースされています。しかし、最新バージョンにアップデートした後に何らかの不具合がユーザーによって報告されることも少なくありません。
例えば、LINEの通知音が鳴らなくなったことやTwitterにアクセスできなくなったことなどです。iPhoneユーザーの中には、アップデートで不具合が起きないか心配な人も多いのではないでしょうか。
アップデートで不具合が起きた場合、いくつかの方法を試すと解消されることがあります。この記事では、iPhoneのアップデートで起きた不具合の事例や解消方法をわかりやすく解説します。
iPhoneのアップデートで起きた不具合の事例
iPhoneのアップデートには、メジャーアップデートとマイナーアップデートの2種類があります。このうち、新機能の追加や仕様の変更などの大規模なアップデートがメジャーアップデートです。
これまでのメジャーアップデートでは、さまざまな不具合が起きています。ここでは、iOS13から15までのアップデート後に起きた不具合の事例を紹介します。
iOS15で起きた不具合
2021年9月21日には、最新バージョンであるiOS15がリリースされました。リリースされた直後ではあるものの、すでに次のさまざまな不具合が起きています。
- 電源が入らない
- 再起動を繰り返す
- 一部のアプリが起動しない・突然落ちる
- Wi-Fiに接続できない
- Twitterが送信できない
- アップデート中のリンゴループ
- iTunesが起動しない など
iOS15のアップデート後には、そもそもiPhoneの電源が入らない事象や再起動を繰り返すなどさまざまな不具合が報告されました。このほかには日本語キーボードに限り、文字変換や設定の初期化などの不具合が起きているようです。
iOS14で起きた不具合
2020年9月17日にリリースされたiOS14では、これまで専用画面にまとめられていたウィジットがホーム画面への配置が可能になったり、インストールせずにアプリが使えるApp Clipsと呼ばれる新機能が追加されたりしました。
しかし、iOS14のアップデート後には次のさまざまな不具合が報告されています。
- ウィジェットの表示異常
- 位置情報サービスのオフでほかのアプリも連動
- カレンダーウィジェットの予定が開始から15分で削除
- 一部のモデルでカメラやLEDライトが使えない
- Siriからの呼び出しで一部のキャッシュレス決済が起動できない
- iTunes StoreアプリのGeniusが表示されない など
iOS14のアップデート後には、追加された新機能の不具合も起きています。ホーム画面に時計ウィジットを配置すると、実際と時刻がずれる事象が起きたケースもあるようです。
iOS13で起きた不具合
2019年9月20日にリリースされたiOS13では、画面の眩しさを軽減できるダークモードやサブスクリプションサービスのApple Arcadeなどが新機能として追加されました。しかし、iOS13のアップデート後には次のさまざまな不具合が報告されています。
- カメラが起動しない
- Face IDが使えない
- バッテリーの減りが早い
- メールが受信できない
- BluetoothやWi-Fiに接続できない
- 画面をスクロールできない など
iOS13のアップデート後には、iOS15やiOS14と同様にiPhoneの電源が入らない、アプリが起動しない事象が起きたケースもあります。
また、iPhone X以降のモデルに搭載されているFace IDが認識せず、再度登録のし直しが必要になったという事例もあるようです。
iOSアップデートの不具合を解消する6つの方法
iPhoneでiOSのアップデート後に何らかの不具合が起きたときには、解消される可能性もあるので慌てないようにしましょう。ここでは、iOSのアップデート後に起きた不具合を解消する方法を6つ解説します。
- 強制終了して再アップデート
- エラー番号から該当する対処法を実行
- Apple公式のサポートに相談
- iOSのダウングレード
- 段階を踏んで初期化
それでは、各項目を詳しくみていきましょう。
強制終了して再アップデート
iOSのアップデート後に不具合が起きたときには、まず強制終了を試してみましょう。強制終了は、アップデートに限らずさまざまな不具合が起きたときの解消方法として有効な手段です。
強制終了した後はもう一度正しい手順でアップデートすると、アップデートそのものの不具合が解消される可能性が高いです。強制終了の手順はモデルごとに異なるため、お手持ちのモデルに応じた手順で作業を進めてください。
【Face IDを搭載したiPhoneの場合】
Face IDを搭載したiPhoneは、iPhone X・iPhone XS・iPhone XR・iPhone 11・iPhone 12・iPhone 13シリーズです。
- 「音量を上げるボタン」を押してすぐに放す
- 「音量を下げるボタン」を押してすぐに放す
- 「電源ボタン」を長押し
- Appleのロゴマークが表示されたら「電源ボタン」を放す
- 強制終了完了
【iPhone 8・iPhone SE(第2世代)シリーズの場合】
- 「音量を上げるボタン」を押してすぐに放す
- 「音量を下げるボタン」を押してすぐに放す
- 「電源ボタン」を長押し
- Appleのロゴマークが表示されたら「電源ボタン」を放す
- 強制終了完了
【iPhone 7シリーズの場合】
- 「音量を下げるボタン」と「スリープ/スリープ解除ボタン」を同時に長押し
- Appleのロゴマークが表示されたら両方のボタンを放す
- 強制終了完了
【iPhone 6S・iPhone SE(第1世代)シリーズの場合】
- 「スリープ/スリープ解除ボタン」と「ホームボタン」を同時に長押し
- Appleのロゴマークが表示されたら両方のボタンを放す
- 強制終了完了
アップデートの失敗は復元
iOSのアップデート自体に失敗したことが原因で不具合が起きたと考えられるときには、バックアップから復元を行ってみましょう。バックアップから復元するときに使うのは、iTunesやiCloudなどです。
【iTunesの場合】
- iPhoneとパソコンを接続
- パソコンでiTunesを開く
- デバイスの選択画面でiPhoneを選ぶ
- 「バックアップの復元」をクリック
- 「復元」をクリック
- 復元開始
- iPhoneの再起動
- 復元完了
【iCloudの場合】
- iPhoneの電源をオン
- 「Appとデータ」の画面で「iCloudバックアップから復元」をタップ
- Apple IDでサインイン
- Apple IDの確認コードを入力
- 利用規約に同意
- 復元するデータを選ぶ
- 「バックアップから設定」画面で「続ける」をタップ
- 復元開始
- 復元完了
エラー番号から該当する対処法を実行
iOSをアップデート中に「不明なエラーが発生しました [エラー番号]」と表示された場合、は以下の表を参考に対処してみましょう。
エラー内容 | 対処法 |
モバイル通信をアップデートできませんでした | iOSを再アップデート |
ソフトウェアをダウンロード中に問題が起きました | 通信状況を確認した上でiOSを再アップデート |
無効な応答 | iPhoneとパソコンを接続しているUSBケーブルを確認 |
9・4005・4013・4014 | iOSを再アップデート |
7・1638・3014・3194・3000・3002・3004・3013・3014・3015・3194・3200 | 通信状況を確認した上でiOSを再アップデート |
Apple公式のサポートに相談
iOSのアップデートに関する問題が解消しないときには、Appleの公式サポートに相談してみましょう。Appleの公式サポートでは、電話・メール・チャットなどで相談可能です。
電話が混雑してなかなかつながらない場合は、メールやチャットなどのほかの方法を試してみましょう。
iOSのダウングレード
iPhoneの強制終了や再アップデートを試しても問題が解消されないときには、iOSをダウングレードするのも手段のひとつです。ダウングレードとは、iOSを新しいバージョンから古いバージョンに切り替える方法です。
iPhoneの発売元であるApple社はダウングレードを推奨しておらず、ダウングレードは応急処置の位置づけになります。さらなる不具合が起きるリスクもあるため、ダウングレードは自己責任で行いましょう。
- 「iPSW」のサイトにアクセス
- デバイスの選択画面で「iPhone」を選ぶ
- モデルを選ぶ
- ダウングレードしたいiOSを選ぶ
- ダウンロード開始
- iPhoneとパソコンを接続
- パソコンでiTunesを開く
- 「iPhoneの復元」をクリック
- ダウンロードしたファイルを選ぶ
- ダウングレード完了
ダウングレードを行う前には、iPhoneのバックアップをとっておきましょう。ダウングレード完了後にデータを復元すると、ダウングレードしたiOSでiPhoneが使えるようになります。
段階を踏んで初期化
iOSのアップデートで不具合が起きたときには、iPhone本体を初期化すると解消されることがあります。しかし、本体の初期化には時間がかかるため、設定だけの初期化を試すとよいでしょう。
【設定だけ初期化する手順】
- 「設定」を開く
- 「一般」をタップ
- 「リセット」をタップ
- 「すべての設定をリセット」をタップ
- 設定の初期化完了
設定だけの初期化で不具合が解消されないときには、iPhone本体の初期化を試しましょう。ただし、初期化を行うと工場出荷状態になるため、すべてのデータが消えてしまいます。
そのため、iPhone本体を初期化するときには事前にバックアップをとることを忘れないようにしてください。
【iPhone本体を初期化する手順】
- 「設定」を開く
- 「一般」をタップ
- 「リセット」をタップ
- 「すべてのコンテンツと設定を消去」をタップ
- 「iPhoneを消去」をタップ
- iPhone本体の初期化完了
アップデートの不具合を避ける4つの方法
iOSのアップデートで不具合が起きるトラブルを避けるためには、次の4つのポイントを押さえておくとよいでしょう。
- 期間を開けて最新のものにアップデート
- iOSの自動アップデートをオフ
- 定期的にデータのバックアップ
それでは、各項目を詳しくみていきましょう。
期間をあけて最新のものにアップデート
iOSの最新バージョンがリリースされた後、何らかの不具合が起きることも珍しくありません。しかし、初回版の後には、不具合が修正されたバージョンがリリースされています。
そのため、初回版の後にリリースされたバージョンをダウンロードすれば、不具合が解消される可能性が高いです。修正版がリリースされたときには、次の手順でダウンロードを行いましょう。
- 「設定」を開く
- 「一般」をタップ
- 「ソフトウェア・アップデート」をタップ
- 「ダウンロードしてインストール」をタップ
- ダウンロード開始
- ダウンロード完了
iOSの自動アップデートをオフ
iOSの自動アップデート設定をオフに切り替えると、アップデートの不具合を避けられる可能性があります。設定をオンにしている場合、ユーザーに意志とは関係なく最新バージョンがリリースされるタイミングでアップデートされるからです。
自動でアップデートされると、操作中に不具合が起きてもすぐに原因がわからない可能性もあります。不具合の原因をはっきりさせるためには、自動アップデートの設定をオフにしておくのも手段のひとつです。
- 「設定」を開く
- 「一般」をタップ
- 「ソフトウェア・アップデート」をタップ
- 「自動アップデート」をタップ
- 「iOSアップデートをダウンロード」を左にスライド
- 「iOSアップデートをインストール」を左にスライド
- 自動アップデートのオフ設定完了
定期的にデータのバックアップ
アップデートの不具合を避けるためには、定期的にデータのバックアップをとっておく方法が効果的です。データのバックアップがあれば、いつでも不具合が起きる前の状態に戻せます。
データのバックアップをとる方法はいくつかありますが、ここではパソコンが不要のiCloudを利用した方法を紹介します。
- 「設定」を開く
- 「ユーザー名」をタップ
- 「iCloud」をタップ
- 「iCloudバックアップ」をタップ
- 「今すぐバックアップを作成」をタップ
- バックアップの作成完了
アップデートは充電しながら寝ている間に実行
不具合が起きにくいアップデートのタイミングは、ずばり就寝中です。就寝中に充電しながらアップデートを行うと、不具合だけでなくバッテリー切れを避けることにつながります。
また、アップデートには時間がかかるため、iPhoneを操作しない時間を長く確保できる就寝中がおすすめです。自動設定をオンにしている場合、就寝中に充電しながらアップデートします。
iPhoneの最新iOSのバージョン情報
ここで、2021年9月21日にリリースされたばかりの最新バージョンiOS15の新機能や必要な空き容量を紹介します。
iOS15へのアップデートで使える新機能
毎回iOSの最新バージョンがリリースされるときには、さまざまな新機能が追加されています。iOS15で追加された主な新機能は次の通りです。
【FaceTime】
FaceTimeはテレビ電話機能アプリで、オンライン会議やコミュニティなどのさまざまなシーンでの活躍が期待されています。
【メッセージ】
メッセージは複数のアプリに追加された新機能で、「あなたと共有(Shared with You)」を利用すればほかのユーザーと同じコンテンツを共有できます。
【集中(Focus)モード】
集中(Focus)モードは、ユーザーのシチュエーションに応じて通知やメッセージなどの動作を細かく設定できる機能です。
- おやすみモード
- 運転中
- ゲーム中
- 睡眠中 など
着信音やアラームを一時的にオフにできるため、仕事やゲームに集中したいときにおすすめの機能です。
アップデートに必要な空き容量
iPhoneのストレージが圧迫された状態でアップデートを行うと、正常に完了しないことがあります。iOS15をアップデートするときには、事前に空き容量が十分あることを確認してから行いましょう。
iOS15自体の容量は2.83GBで、一時容量は3GB程度になります。アップデートを正常に完了させるためには、少なくとも5GB以上の空きが必要です。ストレージ容量に十分な空きがない場合は、不要な写真やアプリを削除してデータを減らすとよいでしょう。
iPhoneのアップデートに関するQ&A
それでは最後に、iPhoneのアップデートに関するQ&Aを紹介します。
アップデートのタイミングはいつがよいか
iPhoneのアップデートは、残念ながらどのタイミングで行っても不具合を100%避けるのは難しいのが現状です。過去の事例から見ると、メジャーアップデートの初回版では不具合が多く起きやすい傾向にあります。
初回版で不具合が起きた場合には、修正版のマイナーアップデートがリリースされています。そのため、公式サイトでの報告状況を見つつ、自身が許容できる範囲になったタイミングでアップデートするとよいでしょう。
アップデートしないと問題があるのか
結論から言うと、iPhoneを快適に使うためにアップデートした方が良いです。新機能の追加や仕様の変更のほかにセキュリティが強化されることもあるため、いつまでもアップデートしないとセキュリティ対策に不安が残ります。
また、アプリで新機能が追加された場合、iOSをアップデートしないと使えないものもあります。iPhoneを使う上でセキュリティ面での不安や使い勝手が悪くなる可能性もあるため、iOSは最新バージョンインアップデートしましょう。
現在のiOSのバージョンを確認する方法とは
iOSをアップデートするとiPhoneに記録されるため、自身の端末で現在のバージョンを確認できます。
- 「設定」を開く
- 「一般」をタップ
- 「情報」をタップ
- 「バージョン」で確認
「バージョン」で表示されたiOSのバージョンが古い場合、最新のものにアップデートを検討しましょう。
アップデートができないiPhoneはあるのか
バージョンの対応はモデルごとに異なり、非対応のモデルでは最新バージョンにアップデートできないことがあります。最新バージョンのiOS15に対応したモデルは、次の通りです。
- iPhone SE(第1世代)
- iPhone 6s Plus
- iPhone 6s
- iPhone SE(第2世代)
- iPhone 7 Plus
- iPhone 7
- iPhone 8 Plus
- iPhone 7
- iPhone X
- iPhone XR
- iPhone XS Max
- iPhone XS
- iPhone 11 Pro Max
- iPhone 11Pro
- iPhone 11
- iPhone 12 Pro Max
- iPhone 12 Pro
- iPhone 12 mini
- iPhone 12
- iPhone 13 Pro Max
- iPhone 13 Pro
- iPhone 13 mini
- iPhone 13
古いモデルでも、iPhone SE(第1世代)・iPhone 6s Plus・iPhone 6sは最新バージョンに対応しています。
現在非対応のモデルを使っている場合は、最新バージョンにアップデートできないので機種変更も検討した方がよいでしょう。
アップデートで不具合が起きないよう、バックアップを頻繁にとろう
iOSのアップデートで不具合が起きることがありますが、後から修正版がリリースされるのでそれまで待つのも手段のひとつです。しかし、すぐに不具合を解消したい場合は、まず強制終了して再アップデートしてみましょう。
また、アップデートによる不具合は、自動アップデートの設定をオフにしたり定期的にデータのバックアップをとったりして避けられることもあります。データのバックアップや復元が面倒な場合は、スマホ修理店のスマホスピタルにご相談ください。
スマホスピタルでは、iPhoneのバックアップや復元を代行しています。iPhoneのさまざまなトラブルにも対応しています。
お近くに店舗がない場合には郵送での修理も対応しているため、まずはご相談ください。
2014年より、日本PCサービス株式会社にて、年間700件以上のパソコン・スマホ・タブレット修理およびお困りごと解決を行うフィールドエンジニアとして活躍した後、IT人材の育成や事業責任者として業界に従事。2021年11月、同社取締役に就任。
同年12月よりスマホ・iPhone修理のスマホスピタルを運営する株式会社スマホスピタル 取締役として、全国のスマホ修理事業を統括。
2023年5月、特定非営利活動法人 IT整備士協会の理事に就任。リテラシー格差、使い方やトラブル時の正しい対処法など、スマホの正しい知識の普及のためスマートフォン整備士検定の構築に携わるなど、スマホ・パソコンをはじめIT関連業界に10年以上従事。
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