iPhoneXSの水没修理。電源がつくなら、まずはバックアップを取っておきましょう。

2/21(月)は、水没してしまったiPhoneXSの修理についてです。

修理にお持ち頂いた前日に水没させてしまったようで、電源は入るようですが画面が映らないとのことでした。

画面さえつけば、バックアップを取って、買い替えという選択肢もあったんでしょうけど、いきなり使用できなくなると大変ですよね。

とはいえ、水没の場合画面だけ取り替えればそれで良いという訳にはいきません。

メインの基板自体が駄目になっている可能性もありますし、その時にはまだ無事であっても内部に残った水分が原因で部品や基板そのものがサビて駄目になってしまうということも考えられます。

水没したけど問題なく使用できるという方でも数日後に急に電源が入らなくなってしまうということも考えられますので、電源が付くならまずバックアップを取っておくようにしましょう。

さて、実際の修理へと移りましょう。

今回は水没端末のため、まずはメイン基板を取り出せるまで分解していきますが、結構中は水が残っていますね。

大丈夫だと良いのですが…

ともあれ、メイン基板にはバッテリーに画面、カメラにドックコネクターなどなど、様々な部品とを繋ぐケーブルが差さっているので、そちらを全て取り外してしまいます。

外すところが多くなるので、ネジが混同しないように注意が必要ですね。

そうこうして、メイン基板を取り外したら、工業用の精製水…

不純物の混じっていない水を使用して、超音波洗浄機にかけていきます。

洗浄機で、基盤の細かなところに入り込んでしまっているであろう不純物を洗い流したら、無水エタノールにくぐらせて、基盤を乾燥しやすい状態にします。

後は乾燥するのを待ってから、再度組み立て動作確認となります。

なお、乾燥には2時間程要するので、水没修理の場合は3時間程はお時間を頂くことになります。

2時間後…

ひとまずは、コネクタ内部などに入りこんでいた水分などで動作不良を起こしていた可能性もあるので、修理端末の部品でそのまま組み上げて、動作確認をします。

画面が映りました！

部品交換無しで修理がと思ったら、タッチが効きません。

一度電源を切り、接点洗浄剤で今度は画面側のコネクタ部分を綿棒で綺麗に拭いて、再チャレンジ！！

今度は、タッチパネルも効いてくれました！！！

タッチパネル以外にもカメラやスピーカー、マイク、ドックコネクターなども確認してみましたが、そちらも機能しています。

ただ、何故かFace IDだけ無効になってしまいました。

通常、フロントカメラが無事であれば、問題はないところなのですが…

ともあれ、現状ではFace ID以外には問題はないようですし、お客様にもご納得して頂けましたので、これにて修理完了です。

水没は、内部にどれくらい水分が入り込んでしまったか、何処に水没させてしまったのか、水没からどれくらい時間がたってしまっているのかによって、修理難度が異なってきます。

今回のお客様は、前日に水没、翌日に修理と比較的早い対処をして頂けたので、画面の交換などもすることなく修理が可能だったのかと思います。

水没させないことは勿論なのですが、もしスマホを水没させてしまったのであれば、起動するならバックアップ。

起動しないなら早めの修理を心掛けて頂ければと思います。

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