GALAXY S24 Ultra の水没復旧をご依頼いただきました

端末を開けた瞬間に分かったのは、内部の広い範囲に水分が残っていたことです。特にカメラユニット周辺の濡れが強く、金属パーツの一部にはすでに白く腐食が出始めていました。

さらに、水没直後に電源を入れてしまうとショートの原因になるため、今回のようにすぐ持ち込んでいただけたのは非常に良い判断でした。

分解後は基板の洗浄と乾燥処理を徹底

水没復旧では、目に見える水だけでなく、基板の裏側や細かいコネクタ内部の水分をどれだけ除去できるかが成功の鍵になります。
そのため、まずは端末を細かく分解し、基板を取り外して洗浄作業を行いました。さらに、隙間に入り込んだ水分を飛ばすため、低温での長時間乾燥を実施しています。
しかし、水没の場合は洗浄できても腐食が完全に止まるわけではありません。時間が経つにつれて再び進行し、突然の電源不良につながるケースもあるため注意が必要です。

カメラユニットのクリーニングも重要ポイント

S24 Ultra は大型センサーを搭載しているため、水没の影響があると撮影に直結します。さらに、水分が入り込んだままだと黒点や曇り、ピント不良が起きやすく、最悪の場合はカメラの交換が必要になります。
今回は幸いにもユニット内部までは浸水しておらず、接点部分のクリーニングで問題なく復旧できました。撮影テストでもズーム・広角すべて正常に作動し、基板との通信エラーも確認されませんでした。

起動に成功！しかし長期利用には注意が必要

復旧後は無事に電源が入り、タッチ操作・カメラ・通信などの基本動作はすべて正常に確認できました。データそのままでお返しできる状態になったため、今回の復旧は非常に良い結果となりました。
ただし、水没端末は復旧で改善しても、長期的には腐食が再び進行する可能性がある点は避けられません。さらに、急に電源が落ちる、充電が進まない、カメラだけ動かないなど、時間差で症状が出るケースも多いです。
そのため、これからしばらくはこまめにバックアップを取っていただき、少しでも違和感があれば早めに点検することをおすすめします。